神様修行はじめます! 其の二
怖くない。ちっとも。


「・・・ほんとだ」

「なにがだい?」

「側にいれば、無敵」

「・・・あぁ」


無敵だ。何も怖くない。


目を閉じて彼に身体を預ける。

彼の手の冷たさと温もり。

鼓動と吐息。

お互いのそれらが、重なり合っていく。



できるなら、このまま時を止めて欲しい。


澄んだ月光。

この世界を照らす白銀の光。


静寂の闇。

しんとした空気の中で、密やかに息づくもの全て。


静かに温かく、そこにある大切な物。


在り続けて欲しい。

この時が、この全てが


何の変哲もないこの全てが、なにひとつ変わらずに永遠と続いて欲しい。


でも・・・・・


「永久様」

「・・・・・」

「お時間でございます」

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