神様修行はじめます! 其の二
時は止まらない。

決して立ち止まらず、待ってもくれずに進み続ける。

それならば・・・


「わかった」


門川君の腕が、あたしから離れた。

彼は立ち上がる。


「行こう」


絹糸としま子が、音もなく立ち上がった。

そして何も言わずに部屋を出て行く。

門川君が、一歩踏み出した。


行こう。

目指す場所へ。


時が立ち止まらないなら、あたしも立ち止まらない。

時と共にあたしも行く。

彼が踏み出す、その行く先へ。


月が照らすかけがえのないもの。

あふれるほどのたくさんのもの。

その中で・・・最たるもの。


「行こう。共に」


あたしの最も愛する 門川 永久。

彼の目指す場所へ・・・

彼の望む場所へ・・・


行こう。
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