神様修行はじめます! 其の二
お岩さんがうなづき、手を離した。

あたしはハシゴに向かって歩き出す。


彼が前に進むというなら、当然あたしだって進むさ。

彼が居る場所があたしの居る場所なんだもの。

うん。負けるつもりも諦めるつもりも、無い。


そうだよ。あたし達は無敵なんだから。


ハシゴに手を伸ばす。

・・・と、あたしよりも先に、しま子がハシゴをつかんだ。


「しま子・・・」

「うああ~~」

しま子があたしを見つめる。

まぁるい一つ目が、強い光を放っていた。


・・・分かった。

しま子にはしま子の、譲れない役目があるんだよね。


「ありがとう、しま子」


しま子が一番最初にハシゴを上った。

次に、あたし。

両手両足で、しっかりと一歩一歩上っていく。

戦いの場所へ向かって。


勝ちに行く。勝ってみせる。絶対勝つ。

門川君を守ってみせる。

彼を死なせはしない!!


上るごとに、決意は固く強くなる。

あたしは先に上がったしま子に引っ張り上げられ、ついに戦場に立った。

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