幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「おのでらん、伊東さん、あ!?平助くんおかえり!助けてっ」


土方から逃げるようにドタバタと走り回る沖田。
伊東の後ろに隠れている。


「懐かれたみたいだな、伊東」

「そうみたいですね」


伊東が笑った。




こんな日常が続けばいいのに。


そんな叶いもしないような願いを思わず思い浮かべてしまう。

こんな笑い声が、いつまでも屯所の中に響いていればいいのに。

いつまでもくだらないことを話していれればいいのに。


いつまでも、愛する貴方と一緒にいれればいいのに。






時間が、止まってしまえばいいのに。



「小野寺、どうした?」

土方が心配そうに顔をのぞき込んできた。


「…なんでもない」笑う。














時間は、残酷に過ぎていった。






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