幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
第弐拾章 西本願寺へ
弐拾 西本願寺へ

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元治2年2月。
秋が終わり、冬真っ只中の屯所に、気の抜けたような声が響いた。



「引っ越し!?」

「ああ」



土方は筆を動かしながら小野寺を見た。



「伊東たちが来たことによって、今現在隊士は200人を越える。壬生村には収まりきらねえよ」

「…ああ」



確かに、この壬生村はあまり大きな村ではない。

土方が言うには、随分前からこの話はあがっていたらしい。



「へえ。じゃあ引っ越しの用意をしなくちゃだな」

「…………まぁそうなんだが」




すると、土方は何か苦いものを食べたかのような表情を浮かべた。



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