幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「くそ……」


口を開いたのは、原田だった。



「あんたは、俺らが今、どんな気持ちで平助を斬ったと思ってんだよ!」

気が付くと、彼の瞳には涙が浮かんでいる。




「意味分かんねえよ!幸せだ?幸せじゃないか?そんなの知らねえよ!平助を殺したいわけないだろ!俺たちは、俺たちは…………












―――仲間、だったのに」






ガクリ、

原田は、地面に膝をついた。



「…なんで小野寺ちゃんは、みんなが胸中にあることを口に出すかな…………」





矛盾は、感じていた。
でも、殺さないと殺されるから、殺したんだ。




「俺らだって平助が好きだ。今だってそうだ。でも、だけど、他に道なんてねえんだよ………」





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