幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
いくら小野寺の前で強がったって、いくら自分が無敵な振りをしたって、この現実は変わらない。


藤堂平助を殺さなくてはいけないことに、変わりはない。





「……くそっ、くそっ…」

「…………っ」



涙が、頬をつたう。









殺したくない。

共に生きたい。

共に笑いたい。

共に夢を語りたい。

下らない、何を話したか覚えていないような、あの会話が恋しい。






「あ、なんだ」

永倉が、笑った。




「俺たち、平助のことが好きなんだ」







もしも、こんな時代じゃなかったら。

もしも、違う世界だったら。




もしも、自分たちが武士じゃなかったら、







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