幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
また会えるはずなのに、どうしてこんなに悲しいのだろう。

なんで涙がこぼれるのだろう。







「私も、大好きだよ」











それは、嘘でも偽りでも飾ったものでもない、自然と口から出た言葉だった。


ごく自然と、当たり前なように出た言葉だった。





「おのでらん」
すると、沖田は抱きしめる力を緩めた。



そして、見つめ合う。







「おき………」

「また、何処かで」







――――――
―――



またね、でもなく、また今度、でもなく、

「また何処かで」と沖田は言った。




小野寺は、その意味を聞けないまま彼と別れたのだった。



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