幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「……じゃあ、入るぞ」
二人は扉の前へ立った。

この先に、新政府軍の上層部がいる。



「小野寺」
土方は小野寺を見る。

これまで色々なことがあった。








文久三年
貴方と出会って、

文久四年
共に過ごして、
気持ちが通じ合って、

慶応四年
再び出会って、
同じ目標を持った。





「小野寺」

土方は笑いかける。
それは、優しい笑顔。


「幸せになろうな」





………へ?




「何それ、どういう…」

「西洋の言葉で言う『プロポーズ』」


そう言って、真っ赤になる小野寺の頭をくしゃりと撫でる。



「………おまっ」

「さあ、行くぞ」












土方は、扉をゆっくりと開いた。






――――――
―――



そこには、小野寺にとって忘れられない男がいた。







「ハロー。小野寺姫」


青蓮院碧はにやりと笑った。


< 599 / 693 >

この作品をシェア

pagetop