幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
息をするように、人を殺す。



「私の世界は殺し合いなんて滅多にない場所です。私、最初はすごく彼らが怖くて……可哀想に見えた」

「可哀想に?」

「はい」




人を殺すことにしか意味を見いだせない。

頼れるのは己だけ。





「なのにあの人たち、未来からやってきたばかりの私には『頼ってくれ』って言ったんですよ?…ふふっ」


小野寺は、花のような笑顔を見せる。





嗚呼、この子はこうやって笑うのですね。

木戸は目を細める。





「そして、段々。本当に少しずつですけど、私たちはお互いを信頼するようになりました。そして私、気付いたんです」


……いや、気づかされた、か。




「青蓮院に言われてね」

「碧くん…?」




< 616 / 693 >

この作品をシェア

pagetop