虎猫ゆうゆ。
「来ないで…」
ゆうゆは唸りながらそう言った。
人間には私達の言葉はわからないって
知ってるけど…
しかし少女は歩みを止めず
微笑みながら言う。
『大丈夫だよ、何もしないから』
ゆうゆはそれを聞いても
唸り、目を光らせた。
ゆうゆには、不思議な力があったー…
"人間の言葉がわかる"
それがゆうゆの不思議な力だった。
周りの猫たちが
人間が何を言っているかわからない、
そう言った時ひどく驚いたのを
今でも覚えている。
そしてゆうゆは今、
目の前の少女の言葉がわかってもなお
敵意をふくんだ目で
少女を睨み続ける。
「来ないで!!人間なんかが
私に近寄らないで!」
ゆうゆはとうとう毛を逆立て
ばっと飛びのいた。
生け垣の隙間に
するりと潜り込み少女を睨む。
少女は悲しげな顔をした。
『おいで?本当に何もしないから…
綺麗な虎猫だなって
思っただけなの…来ないでなんて
言わないで?』
ゆうゆは、目を見開いた。
…どういうこと?
