めがね


扉を開けると、真っ先に目に入ってきた、ベットの上に無残に投げ捨てられたブレザー。




ため息を吐くと、それを手に取り、ハンガーに掛け、定位置に吊る。




毎度のことながら、あたしはかーちゃんか!なんて心の中で自分にツッコミを入れながら、すっかり慣れてしまった行為にまたため息。




片付け癖が無いのは昔っからなんだろうけど、ちょっとは成長しろよなんて密かに思う。




まぁ、部活で疲れてんのは知ってるけどさ。




テーブルに肘をついて、そんなことを考えていると、ふと目についた机の上のバスケ雑誌。




今月の出たのか、と気がつく。




部屋の壁にはNBAのプレーヤーのポスター、本棚にはバスケの青春漫画に、試合のDVDまで・・・



ほんとに、どんだけバスケ好きなんだよ。




思わず零れた笑みに、自分でも笑えた。




そーいう人間に惚れたわけだから、当たり前っちゃー当たり前なんだけどw



なんだか、こいつはバスケが人生なんだなって改めて実感した。




< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop