めがね



どのくらい経ったのか、しばらくしてやつが部屋に入ってきた。



「悪い、待たせて」




その声にちらっと目線を向けると、ちゃんと上下服を着てきたから、一安心。




しかし、その安堵もごくわずか。思わず二度見してしまう。




向かいに腰かけるヤツの顔をはっきり見た瞬間、はっと息が止まった。




開いた口が塞がらない。





「ん?なに?服着たけど…」





ちょ、まて。



それはないでしょ…





「な、なんでっ!?め、めっ!!!!」




あまりの衝撃で言葉にならない。




指をさして、その意味をわかってとひたすらに思う。




だって、それはズルイ。ガチでズルイ。




ずっと「?」だったヤツも、ようやく気がついて。




「あー…もしかして、コレ?笑」




なんてその物体に触れた。




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