夏の月夜と狐のいろ。
「なに・・・」
シアンは驚きながら地面に倒れたリリィを抱え上げ、その青年を見た。
青年はシアンから視線を移し、リリィ、クロ、ノエルの順番でひととおり顔を見ていった。
そして、最後にシアンに視線を戻す。
そして薄く微笑むと手を差し出しながら言った。
「大丈夫か?手を貸してやろう。」
シアンはぽかんとしたままその手をとると、ぐいっと力強く起こされた。
華奢で細い青年のわりに、力強い。
シアンが起き上がると、ノエルがすぐに横に来て少し警戒したようにたずねた。
「助けてくれてありがとう。でも、君は誰?」
青年はその問いに薄く微笑んだまま琥珀色の瞳を揺らして答えた。
「私の名前はレオン。怪しいものではない・・・
そうだな、言うならば、君たちと同じようなものだ」
やけに印象的な琥珀色の瞳がきらりと光った。
シアンははっとして驚いてレオンと名乗った青年を見る。
・・・まさか私が人間じゃないと気づいているの?
シアンがじっとレオンを見つめるとレオンは特に表情もかえずに冷静なままきょとんと首を傾げた。
「・・・む?どうした?」