夏の月夜と狐のいろ。
「一緒のようなものって・・・あなた何者なの・・・?」
シアンは訊ねながら、ちらちらと動かなくなった人間を見ながら言った。
レオンはその視線を追いながら、そして不思議そうに首を傾げた。
「ん・・・知らないのか?闇猫族という種族を」
今度はシアンが再び首を傾げた。
闇猫族・・・?それはなんなのだろう?
シアンは森の中にずっと居たので、あまりよく外の世界のことは知らない。
せいぜい、あの半年間ラシッドの図書室で読んだ本くらいの情報だけだ。
シアンが何も答えずに居ると、かわりにいつの間にか目を覚ましたリリィが耳をぴんとたてて
驚いた様子でレオンを見上げていた。
『闇猫族って、あの琥珀色の瞳をもつ・・・猫の種族のことですか?』
レオンはこくりと頷いた。
「うむ。有名な四部族くらいは皆、知っていると思っていたんだが。
知っているのは君だけか?」
レオンが訊ねると、ノエルが「俺も知ってるよ」と相槌を打った。
どうやら知らないのはシアンとクロだけらしい。
けれどクロは、興味なさそうに頬ずえをついて座り込んでいる。
だから代わりにシアンが訊ねる。
「闇猫族って・・・?」