夏の月夜と狐のいろ。
シアンはほっとため息をついた。
「あまりシアンを驚かせないでね?」
横でノエルが少し不機嫌そうに言った。
レオンは薄く笑って、すまないと謝った。
そして話を続ける。
『私たちの能力のもうひとつは影をあやつる能力。自分の影をつかって相手の影をあやつることも可能だ』
楽しそうにレオンの尻尾の影がゆらりと揺れた。
シアンはびっくりしながらもすごいものを見たと驚いた。
こんなすごい種族がいるのね・・・!
レオンはシアンが見せる純粋な反応が面白かったのかくすくすと笑う。
『ふふ、ほかにも白銀の狼や、金色の兎、氷の狼なんかもいるがいずれ会うだろう。さ、こいつらの金縛りがとける前に町に入ろう。』
そう言ってレオンは人の姿に戻ると、黒いローブをはたいてフードをかぶりなおした。
シアンたちも同じようにすると急いでそのあとを追った。