夏の月夜と狐のいろ。
シアンはバッと顔をあげた。
シアン達が隠れている建物の上にその人物は居た。
逆光でその姿はまだよく見えないけれど、赤い瞳だけがきらりと光る。
「だれ!?」
シアンが叫ぶとその人物はふわっとこちらに着地した。
黒っぽいローブで隠れて、顔も姿もよくわからない。
口元がにやっと笑った。
その瞬間、嫌な予感と寒気でシアンのしっぽがぞわぞわと膨らんだ。
・・・なんなの、これ!?
「やっぱりここに居るのはみんな人間じゃないのね。こいつを追いかけてきて正解だったわ」
そいつは質問には答えずにくすくす笑った。
「・・・質問に答えろ。お前は誰だ?」
そういっていつの間にか人間の姿にもどったレオンはそいつの首元にナイフをつきつけた。
けれど、そいつは表情ひとつ変えず話続ける。
まるで余裕だとでも言うようだ。
「うるさいわね。見ればわかるわよ私が誰かなんて。」
そういうとそいつは何かでレオンの手をなぎ払った。
銀色の、鋭く光る―・・・・
「九尾の、しっぽ・・・?」