夏の月夜と狐のいろ。


驚いた表情に満足したのかモナミは少し微笑むと、フードをかぶりなおした。



「私の願いはひとつ。本物になりたい、よ」



モナミはそういってシアンの首元に銀色の尻尾をすえた。

向けられたそれは、刃物のように鋭い。


本物になりたい・・・?
それはどういうこと?

そういう間もなくモナミがシアンにさらに迫った。



「だからね、連れて行かないといけないのよ」


モナミはそう言うと尻尾を思い切り振り上げた。


「きゃ・・・!?」



シアンはぶわっと自分の尻尾でそれを防ぐように守りながら目を瞑った。けれど。


バチッという鋭い音ともにモナミはひざをついた。



『シアン様に触らないでください!』



それは、リリィの電流の音だった。

予想外だったらしくもろに電流をくらったモナミは苦しげにひざをついたまま息をした。


シアンはほっとしてリリィのほうを見た。



「今のうちにノエルのところへ行こう!」


それに乗っかってレオンが叫んだ。

シアンとリリィはうなずき、立ち上がる。


クロも静かに立ち上がった。


「無駄よ。その教会はもう私の仲間がめちゃくちゃにしてるわ!」




そんなモナミの声を聞きながらシアン達はその場から走り去った。



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