夏の月夜と狐のいろ。



夢をみた。


いつものように心地よい夢ではなく、
心がしめつけられるような夢だ。


シアンの目の前で、いつもの白狐がとらえられていた。


シアンはいつものようにその狐に話しかけられるのを待ったが、どうやら向こうにこちらは見えていないらしい。



白狐は、暴れた。



それを人間がとらえる。



美しい白色の毛に、血の赤が不釣り合いに浮き上がる。



ーこのままじゃ、死んじゃうわ!




シアンはあせった。

けれど、こっちから干渉することはできなかった。



ひどい…!ひどいよ…!


その痛みはいつの間にか自分の体に戻っていた。


ラシッドにされたことや、人間に森を燃やされたことを思い出す。


怒りと、憎しみが心の中に広がった。



いつの間にか、こんなにも人間のことがーーーーー……



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