オレンジどうろ
事件は突然起きた。
「スミレ、下駄箱で突っ立ってどうしたの?」
「いや、これどうしようかと...」
そう言って自分の下駄箱を指差す。そこにはゴミが大量に入っていて、開けた瞬間ポロッ、と数個落ちた。
「え、イジメじゃん!」
「あ、やっぱり?」
私たちは笑う状況じゃないのになぜか笑いが止まらず、大笑いしながら彩ちゃんと普通に教室へ向かった。
「...ーーーーっ!?」
すごい怒鳴ったような声が聞こえた。彩ちゃんと顔を見合わせ駆け足で教室に入った。
みんなが困惑と怒りを露わにしていた。このクラスは根が明るい子の集まりだから、なぜみんながみんな似つかわしく表情をしているのか気になった。
私の机の周りに集まる人の中に私は入った。
理由がわかった。
「あぁ、なんだみんなこれで変な顔をしてたの?」
笑いながら私の机を叩いた。
そこには、死ねとかいう沢山の落書きやら花瓶に入った花やらがあった。
「わぁ、綺麗な花!この茎の感じから素人が無理矢理千切ったみたいだね、そこは頂けないなぁ」
花瓶を持ってふふっ、と笑うと周りの子たちは悲しそうな顔をした。
「委員長...なんでそんなヘラヘラ笑ってられんだよ!」
クラスの男の子が怒鳴った。
あぁ、みんなが暗い顔してるのは私のせいか。
「あぁ、これくらい大丈夫だし...みんなが暗い方が私的に結構辛いんだけど」
笑え私。
大丈夫、きっと何か事情があってこうするしかなかっただけなんだよね。
そう都合よく解釈して、この場を乗り越えることにした。
だが、私を追い詰めるかのように事件はさらに酷くなることになる。