オレンジどうろ
私は下のリビングに降り、カバンをソファーに置いた。
すると洗面所からお父さんがリビングに入ってきた。
「スミレ、おはよう!今日の調子はどうだい?」
お父さんとの挨拶は少し特殊である。
朝というのにテンションマックスでハイタッチをする。
だから今日も私は手をパーにして、こういう。
「元気100倍スミちゃんマーン!」
ぱちんっ、とお父さんと私の手がぶつかる音がした。
するとキッチンから朝ご飯を持ったお母さんが笑いながら出てきた。
「はい、スミちゃんマン!ご飯よっ」
笑いを堪えてるのが丸わかりなお母さんにフーン、と言いながらご飯を口に運んだ。
「学校は楽しいか?」
食べながらお父さんが聞いてきた。
私は最近の出来事を頭に浮かべてみた。
「うん!新しい友達もたくさん出来たし、委員会に入ったから先輩とも楽しくやってるよ」
そうかそうか、と嬉しそうに頷いてお父さんはお母さんと笑い合った。
不思議に思いながら私はあることを思い出してあっ、と小さい声をあげた。