蛍色
「え……あ、ありがとうございます」


「気にしないで」


奏はニッと笑ってプリントを拾う


流石だな…奏


女子の扱いになれてるっていうか……


動きがスマートだな


俺がぼーっと見ていたら奏に


「恋、ぶつかった張本人が手伝わなくてどうすんだよ」


「あ、ごめん」


なんとかプリントを拾い集めた


「どうもありがとうございます!」


「こちらこそすみませんでした」


「いえ、私背がちっちゃいんでよく気づかれないんですよ」


彼女はフッと笑って言った


あ……可愛い


俺は素直にそう思った


思わず見惚れてしまう


「えっと、何かついてますか?」


「え……あ、いや何でもないです!」


「?そうですか。じゃあ私はこれで」


ペコッとお辞儀をして彼女は歩き出した



「え、ち、ちょっと待って!」


「え……?」

俺はいつの間にか彼女の腕を掴んでいた
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