RUBY EYE
うまくやっていけるか、心配だ。
「ここが、あなたの部屋よ。荷物は運んでおいたわ」
「ありがとうございます」
扉を開けると、冷たい風が頬を撫でた。
窓が開いているのだと、揺れるカーテンで気づく。
クローゼットや机、必要なものは全て揃っているし、アンティーク調で可愛らしい。
それに、ベッドは驚くことに天蓋付きだ。
「気に入ったようね」
「はい! ありがとうございます」
開け放たれた窓からは、先程見た、中庭も見える。
日当たりもいいし、申し分ない部屋だ。
「夕食は19時よ。それまで、ゆっくりしていなさい」
「はい」
ベッドの寝心地を調べようと、手を伸ばす月野。
「あぁ、忘れていたわ」
部屋を出ようとした美鶴が、思い出したように足を止め振り返る。
「隣の部屋は、あなたを迎えに行かせた子が使っているわ。仲良くしてちょうだい」