RUBY EYE
バランスを崩し、ベッドに座り込んでしまった月野。
そんな月野を見下ろして、青年は小さな笑みを浮かべた。
「誰だと思うんだ、お前は」
「親戚?」
他に思い付かないし、月野は素直に答えた。
「残念だが、俺はお前の親戚じゃない」
「そうなの?」
「あぁ。両親が勉強のため、美鶴さんに俺を預けたんだ」
「勉強?」
なんの勉強だろう?
気になったが、彼は教えてくれる気はないらしい。
「俺は隣の部屋にいるから」
「あ、あの!」
部屋を出ていこうとする青年を、月野が慌てて呼び止める。
「なんだ?」
「私、あなたの名前を聞いてません・・・・・・」
「名乗ってなかったか?」
月野が頷くと、青年はため息をついて再び歩み寄る。
「綾織 十夜だ。年はお前と同じだ」
「同い年・・・・・・」