RUBY EYE
年齢は近いだろうな、とは思っていたけど。
こんなにも綺麗な人と同い年かと思うと、切なくなる。
「どこかに行くときは、声をかけろよ」
「? は、はい」
まだこの土地に慣れていないから、気遣ってくれてるのかもしれない。
十夜を見送り、月野は新しい自分の部屋を見回した。
「これから1年、ここで暮らすんだ」
知らない土地に、初めて会った祖母。
何もかもが違うけど、頑張らないと。
月野は積み重ねられたダンボールの一つを手に取り、荷解きを始めた。
むせ返る薔薇の香り。
月明かりに照らされたバラ園は、昼間とは違い不気味で、幻想的だ。
「十夜、あの子のこと、よろしくね」
「はい」
美鶴の視線の先には、月野の部屋がある。
初めて会う孫は、息子とどこか似ていて、でも、やっぱり似ていない。