RUBY EYE
かわりに、屋敷の中は大体わかるようになったけど。
「おはようございます、おばあちゃん」
「おはよう」
朝早くても、全く乱れなく着物を身に纏う美鶴。
「小野瀬さんと花村さんも、おはようございます」
「おはようございます」
「おはよう」
驚くことに、この屋敷には使用人がいた。
執事のような見た目の、初老の男性、小野瀬 護。
そして、メイド服に似た服が仕事着の女性、花村 椿。
(おばあちゃんって、お金持ちなのかしら?)
この屋敷―――紅玉館だって、維持費にはそれなりにかかるだろうし。
もしかしたら、美鶴はお金持ちなのかもしれない。
「今日から学校ですね。お友達、たくさんできるといいですね」
「・・・・・・そうですね」
オレンジジュースの注がれたコップを受け取り、月野は俯く。
正直、不安で胸が苦しい。