RUBY EYE
月野は頭を下げると、部屋を出ていった。
「よろしいのですか?」
「私はね、十夜の運命も変えてほしいのよ」
薔薇の花を見つめながら、美鶴は囁く。
「私を救うように、あの子も救ってほしい。そう思うのは、傲慢かしら・・・・・・?」
椿は何も言えず、ただ、月野が出ていった先を見つめた。
十夜は飲むだろうか、彼女の血を。
十夜が吸血衝動を極限まで我慢するのは、血に溺れたくないからだ。
理性を失いたくないという思いが、彼をストイックにさせてしまう。
薄暗い十夜の部屋、月野はゆっくりとベッドに歩み寄り、スタンドライトを点ける。
青白い顔と、荒い呼吸が痛々しい。
傷が完全に塞がっても、流れ出した血は戻らず、死に至る危険性も秘めている。
強いと思っていたけれど、ヴァンパイアだって弱点はあるのだ。
「・・・・・・」