RUBY EYE

冷たい手に触れた瞬間、浦部のことを思い出す。

ほんの一瞬だけ見てしまった、浦部の死体。

殺したのは、十夜。


「・・・・・・綾織くん」


月野は、十夜の手を握りしめ、彼の顔を覗き込んだ。

血を飲ませるとは、どうすればいいのだろう?


「つき、の・・・・・・?」

「・・・・・・起きた?」


うっすら目を開けた十夜に、月野は小さな声で問いかける。


「大丈夫?」

「平気、だ。だから、出ていけ・・・・・・」


血の足りない今の自分に、月野の香りは毒だ。

十夜は月野の手を払い、顔を背けた。


「血が足りない、って聞いたの」

「・・・・・・」

「綾織くん、私の―――」

「お前の血は、死んでも飲まない」


拒まれて、月野は怯む。

手を伸ばしても、十夜は逃げてしまう。


「このままじゃ、死ぬかもしれないのに」

「それでも、お前の血は飲まない」


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