RUBY EYE
どこに居ても、目立つ容姿の十夜。
教室でも、十夜が傍にいるからなのか、遠巻きに視線を送るだけで、誰も話しかけて来なかった。
(友達、できるかな・・・・・・)
知り合いと言えば、淡々と校内を案内する十夜くらいだ。
早く友達ができれば、ここでの生活も楽しくなるのに。
「あそこが保健室だ」
「あ、私、前の学校で保健委員だったの。ホントは図書委員が良かったんだけど」
せめて会話が欲しい。
ただ、月野の話に十夜はあまり興味がないらしく、保健室をジッと見つめたまま動かない。
「あ、綾織くん?」
「お前、何か感じないか?」
唐突な質問に、月野は意味がわからなくて小首を傾げる。
「いや、何も感じないならいい。次は体育館に―――」
「?」
動こうとした十夜が、眉間に皺を寄せて足を止めた。
「そんな嫌そうな顔するなよ、十夜」
「鷹斗・・・・・・。何をしに来た?」