RUBY EYE
現れた青年は、少し砕けた制服の着こなしをしていた。
きちんと制服を着る十夜とは、対照的な人。
(カッコイイ人。こっちって、美形が多いのかしら)
十夜も愛理も、そして現れた青年も、揃って美形。
都会に住んでいたけど、彼ら程に綺麗な人、いなかった。
「何って、この子に会いに」
「え?」
青年の目が自分に向き、月野は驚いた顔をする。
「はじめまして。俺は香堂 鷹斗。特進クラスの2年だから、月野ちゃんとは同い年だな」
「は、はぁ・・・・・・」
人懐っこそうな笑顔だが、どこか色気を漂わせている。
十夜とは違った美しさを持つ鷹斗は、綺麗というより、カッコイイという表現の方が正しい気がした。
「なんで私の名前―――」
「用が済んだなら帰れ。邪魔だ」
月野の言葉を遮って、十夜が鷹斗と向かい合う。
「いいじゃんか、ちょっとくらい。俺はお前じゃなくて、月野ちゃんに会いに来たんだ」