RUBY EYE
「お前は俺をなんだと思ってるんだ?」
「それは、えっと・・・・・・。あ! 図書室ってどこかな? 私、読書が趣味なの」
話題を無理矢理変える月野に、十夜は呆れたように肩を落とす。
「こっちだ」
「うん」
とりあえず笑顔を浮かべたまま、月野は先を行く十夜の後に続いた。
初めての学校は疲れた。
自分のベッドに横たわり、月野はようやく体から力を抜けた。
結局、今日はクラスの誰とも話さなかった。
傍にいる十夜のせいなのか、それとも自分のせいなのか。
「あ、ハンカチ」
忘れていた、と学生鞄から青いハンカチを取り出す。
「洗濯してアイロンして返さないと」
肌触りの良いこのハンカチ。
きっと高いものかもしれない。
「それにしても、こっちに来てから変なことが続くなぁ」