RUBY EYE

そしてまた、閉じ込められた摩耶の元へ訪れるのは、十夜ではない、別の人。


「あなたは―――静貴!」


暗闇の中、微かな明かりが輪郭をあらわにし、その人物が誰なのかを知る。


「出してくれるのよね? だって、私をあの地下の部屋から出してくれたのは、あなたなんだから」


静貴は牢の前に立ち、摩耶を見下ろした。


「そうだね、出してあげるよ」

「なら―――」

「でも、それは今じゃない」


冷たい笑顔で、静貴は淡々と告げる。


「今、君をここから出すのは容易い。けど、外へ出た君はすぐに捕まり、また牢へ逆戻りだ」


外に置かれた見張りの数は、気休めではない。

時臣は、これを機に摩耶を再び地下牢へ閉じ込めるかもしれない。

もしくは、今度こそ摩耶の命を絶つか―――。


「あの女を殺さなきゃ・・・・・・十夜・・・・・・」

「君のその、欲望に忠実なところ、僕は好きだよ」


< 333 / 403 >

この作品をシェア

pagetop