RUBY EYE
そしてまた、閉じ込められた摩耶の元へ訪れるのは、十夜ではない、別の人。
「あなたは―――静貴!」
暗闇の中、微かな明かりが輪郭をあらわにし、その人物が誰なのかを知る。
「出してくれるのよね? だって、私をあの地下の部屋から出してくれたのは、あなたなんだから」
静貴は牢の前に立ち、摩耶を見下ろした。
「そうだね、出してあげるよ」
「なら―――」
「でも、それは今じゃない」
冷たい笑顔で、静貴は淡々と告げる。
「今、君をここから出すのは容易い。けど、外へ出た君はすぐに捕まり、また牢へ逆戻りだ」
外に置かれた見張りの数は、気休めではない。
時臣は、これを機に摩耶を再び地下牢へ閉じ込めるかもしれない。
もしくは、今度こそ摩耶の命を絶つか―――。
「あの女を殺さなきゃ・・・・・・十夜・・・・・・」
「君のその、欲望に忠実なところ、僕は好きだよ」