RUBY EYE
「楽しいですね、伊織さん」
今はこの、狂った男の行く末を見てみたいと思う。
(お前が勝つのか、それとも十夜が勝つのか―――)
もしくは、あの無垢な乙女が違う結末をもたらすのか。
伊織はただ、無表情に夜空を見上げていた。
月は今夜も、この身を照らしてくれている。
目が覚めたら、すべて夢だったらいいのに。
ここへ来て、何度もそう思った。
でも、眠りから覚めた世界は、間違いなく現実。
「・・・・・・」
夏の太陽は、カーテンの隙間から力強い光りを差し込んでいる。
その明るさと暑さに、月野は目を覚ました。
(クラクラする・・・・・・貧血)
少し頭も痛いような。
「起きたのか?」
「・・・・・・うん」
隣を見れば、十夜が優しく微笑んでくれていた。
現実なのに、現実じゃないみたい。
「具合は、どうだ?」