RUBY EYE
受け身でいては何も始まらない。
自ら行動を起こさなくては。
けれど、そんな勇気が月野にあるはずもない。
「おい、眉間に皺寄せてないで、早くしろ」
「あ、ごめんなさい」
十夜を待たせていたことを思い出し、月野は本棚に視線を戻す。
放課後、本を借りたいという月野の申し出に、十夜は文句も言わず付き合ってくれた。
ただ、選ぶのに時間がかかりすぎて、十夜はちょっと、ご機嫌斜めのようだ。
(だって、この図書室、面白そうな本が多いんだもの)
前の学校では見たこともない古い本や、マニアックな本も置いてある。
たくさん借りたいが、貸し出しできる本の数は決まっているから。
「お、十夜発見!」
「・・・・・・鷹斗」
嫌な奴に会った、と十夜はため息を吐く。
「十夜がいるってことは、月野ちゃんもいるんだろ?」
「待て。何しに行くつもりだ?」