RUBY EYE

嬉々として月野の元へ向かおうとする鷹斗。

そんな鷹斗の首根っこを捕らえ、十夜が詰め寄る。


「挨拶に行くだけだって」

「そんな必要はない。早く帰れ」

「過保護なのもいいけど、あんま過保護過ぎると、月野ちゃんに嫌われるぞ」

「そんなこと、お前には関係ない」


図書室だということも忘れて、ふたりは口論を始める。

仲が良くないように見えるが、これはこれで馬が合うのだろうか?


「う〜ん、入っていけない」


口論するふたりを遠目に見つめ、月野はどうしようか悩む。

本は借りたし、後は十夜に行って帰るだけなのだが。


(邪魔しちゃ悪いし、本でも読んで待っていよう)


鷹斗のことを嫌っているように見えるけど、鷹斗と口論している時の十夜は、なんだか楽しそうだから。


「痛ッ! あ、指切っちゃった・・・・・・」


ページをめくろうとして、紙で指を切ってしまった。


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