RUBY EYE
「桐条さん」
「十夜は、理性を失って血を飲んだりしない」
愛理が歩み寄り、月野の顔をジッと睨む。
十夜は相変わらず、鷹斗と口論中のようだ。
「あんたみたいな雑種に、私は負けないわ」
「ま、負けない?」
話の意味するところがわからなくて、月野は首を傾げる。
「あんたが美鶴様の孫だったとしても、十夜は渡さない」
「は、はぁ・・・・・・」
勢いに押されて、尋ねるタイミングが見つからない。
「あんたがどんなに頑張っても、最後に勝つのは、私なのよ」
「そ、そう」
「だって、私は十夜の許婚なんだから!」
「へぇ、許婚。・・・・・・えっ、許婚?」
突然知った、目の前の美少女と十夜の関係に、月野は驚きを隠せずにいた。