RUBY EYE
本当に、父はヴァンパイアなのだろうか?
もしそうなら、お父さんも血を吸うの?
「はぁ・・・・・・。全部、夢だったらいいのに」
お風呂から出て、月野はネグリジェに袖を通す。
こっちに来て良かったと思うことは、食事が美味しくて、お風呂が大きくて、部屋が素敵だということぐらいだ。
「あ、ごめんなさい」
外へ出ると、十夜が壁に寄り掛かっていた。
お風呂に入りに来たのだろう。
「いや、いい」
「・・・・・・あの」
愛理との事を聞こうと思ったが、寸前でやめた。
こういう事は、部外者が興味本位で聞いていいことじゃないと思うから。
「綾織くんも、血を―――吸うの?」
変わりに出た言葉に、十夜は一瞬、驚いたような顔をした。
「ごめんなさい。変なこと聞いて」
「・・・・・・そうだな。俺も、どうしても限界の時は、血を飲む」
「そうなんだ・・・・・・」