RUBY EYE
窓の外に目を向け、怖ず怖ずと歩み寄る。
「・・・・・・誰もいない」
安堵する月野の肩を、誰かが叩いた。
「! あ、香堂くん・・・・・・」
「どしたの、月野ちゃん」
鷹斗が面白そうに、窓の外を見る。
「へぇ・・・・・・」
「何かあったの?」
「いや、何も。十夜待ってんの?」
席に戻り、鷹斗は月野の向かいの席に座った。
「ね、月野ちゃんから見て、俺ってどう?」
「どうって?」
「男としてどうか、って話」
唐突な話だが、特にすることもないし、付き合うことにした。
「えっと、軽そうで変態?」
「最悪じゃん、それ」
「あ、カッコイイと思うよ、凄く」
フォローのように加えた言葉に、鷹斗が笑みを浮かべる。
「じゃあさ、十夜じゃなくて俺が月野ちゃんの傍にいる、って言ったらどうする?」