RUBY EYE
「それは、どういう・・・・・・」
「俺、月野ちゃんのこと可愛いと思うよ」
ニッコリ笑う鷹斗に、月野は言葉に詰まる。
これは、口説かれてる?
いや、まさか。
月野は浮かんだ考えを否定し、冷静な対応を取る。
「お世辞でも、可愛いって言われると嬉しい」
「・・・・・・」
鷹斗がまじまじと、月野を見つめる。
もっと別の反応を期待していたのだろうか?
「鷹斗! あんた、何してんのよっ」
「お〜、愛理。十夜ならいないぞ」
教室に現れた愛理は、鷹斗と月野が向かい合う姿を見て、早足で近づく。
「ちょっと来て」
「あ、桐条さん?」
強引に引っ張られ、教室の隅に連れていかれる。
「鷹斗のこと、信用しないほうがいいわよ」
「香堂くん? どうして?」
「悪い奴じゃないんだけど。平気で嘘ついて、平気で女を傷つけるから」