RUBY EYE
祖母が寄越した迎えだから、祖母の知り合い。
もしかして、親戚?
(う〜ん、わかんない。聞いてみればいいんだろうけど、なんか話しかけづらいし)
雰囲気があると言うか、人種が違うと言うか。
こう、見えない壁を感じるんだ。
「着いたぞ。ここが、“紅玉館”だ」
「紅玉館?」
確かに、赤い洋館だ。
壁は煉瓦張りで、近くで見ると、より一層、レトロだ。
「突っ立ってないで、入るぞ」
「あ、はい」
初対面なのに、随分と偉そう。
でも、案内してもらってる以上、下手なことは言えない。
「うわぁ・・・・・・」
屋敷に足を踏み入れれば、その内装に感嘆の息を漏らす。
外観以上に素晴らしく、時代を飛び越えたような気持ちになる。
「ほら、行くぞ」
「あ、待って!」
迷うことなく進む青年は、扉の前で立ち止まった。