エレーナ再びそれぞれの想い
 一方、土砂崩れがあったシュウの実家周辺では捜索活動が今も続けられていた。
白川本家とその関係の人達、そして周辺に住んでいた人々の遺体が、少しずつ見つかり始めた。
だが、祖母、郁乃と母、結衣の遺体は未だ見つからず。
「僕やっぱり、母さん達を捜しに行きます」
「御待ち下さい。今、自衛隊と警察が捜しているから、待ちましょう」
エレーナが制止した。
だが、シュウは自分で捜しに行こうとする。
「これ以上待てない。やっぱりぼくが……」
「どうしても御母さんを捜すというのなら、私がやるわ。貴方はここにいて」
さやかが、シュウの代わりに行く事を申し出た。
「そうですよ。ここはさやかさんに任せて、私達は寮にいましょう」
エレーナも止めようとした。
「どうして止めるんですか? 母さんだって、きっと僕に見つけて欲しいはずです」
一向に郁乃と結衣が見つからない事に焦燥感を募らせるシュウ。
土砂崩れ直後、シュウが現場に行って、ひどいショックを受けた事を、プリシラから聞いていたエレーナとさやか。
最悪の事態が起きた場合、シュウに与える衝撃があまりにも大きすぎる。 
エレーナ達は、それを危惧していた。
「でも……」
シュウは諦めきれない。
「ならば、私達も同行しましょう」
エレーナの呼びかけにさやか、プリシラ、中沼も加わり、シュウは再び、現地へと向かった。
現場で捜索する自衛隊や警察に混じって、シュウ達も郁乃と結衣を捜し始める。
「君達、危ないからここにはいっちゃだめだ。離れなさい」
当然、警官や自衛官に止められた。
「僕はもう死んでいます。危ない事なんてありませんよ」
シュウの周りで強風が吹き、がれきの破片が動いた。
幽霊であるシュウが発するポルターガイストだ。
シュウの姿は透け、向うの景色が見える。
「化、化け物!」
警官も自衛官も逃げ出した。
シュウ達を追い出そうとする者はいなくなった。これで、捜せる。
しばらく、5人で捜索を行った。
やがて泥の中から、さやかが写真たてを発見。
「こんな物が出てきたわ」
中沼は、さやかから写真たてを受け取ると、泥を手で落とした。
そして写真を見た瞬間、顔色を変えた。
「郁乃様と由乃様が見つかるまで、これはシュウ様には見せてはいけない」
中沼と天使達のやり取りにシュウが気づいた。
「何が見つかったんですか?」
「これはだめ!」
< 116 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop