スイーツな関係
厨房の中のスタッフ専用のテーブルに私を座らせると、遥人は大きな業務用の冷蔵庫からたくさんの食材を出している。


私は手伝えずに、ただ遥人の動きを見守っていた。
手伝うと言ってもきっと「手伝いはいらない」と言われてしまうだろうし、流れるような作業の邪魔になるだけ。


遥人の料理をしている姿が見たいと思っていたから願いは叶った。

あ、でもシェフコートを着てお料理して欲しかったな……。

今の格好は遥人に似合うとは到底思えない。


料理中の遥人はまったく私の方を見ない。


寂しいな……。

本当に私は好かれていないんだ。


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