スイーツな関係
軽い熱中症にかからせてしまったからお詫びに食事を作っているだけに過ぎない。

そう思うと、悲しくなって瞳が潤むのを感じた。

急いで瞬きをして、涙を留める。


しだいに厨房の中は美味しそうな香りが漂い始めた。

ここからでは遥人が何を作っているのかわからない。


少しして、遥人が出来たものを運んできた。

目の前に野菜がたっぷり入ったお粥の器が置かれる。

極小に刻まれたオレンジ、緑色など、目にも鮮やかなお粥。


「胃に優しいはずだから全部食べて」


さっきのパスタとは違う手の込んだお粥。

湯気のせいか、また瞳が潤んでくる。


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