スイーツな関係
「えっ? いきなりなんですか? そのせいで昨日はうまく行ったんじゃないんですか?」


うまく行ったというのは「別れられた」方。


「……しばらくあのアパートは借りておく」


それだけ言うと、ポカンと口が開きっぱなしの淳平の横を通り更衣室を後にした。


厨房に向かいながら今日のスケジュールを確認する。


開店準備後、テレビ局の収録が2つだったな。
これを引き受けたのは、テレビ局のアシスタントプロデューサーの姉のせいだ。
当初、姉から出るように勧められていたが、相手にしていなかった。


出演する予定の料理人が急遽出られなくなり、代役として一度だけならと、出たのがきっかけ。

姉に出演すれば店の宣伝にもなるし、桁違いの収入によって夢も早く叶うのではないかと示唆され、それからはなかば開き直り出演している。



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