スイーツな関係
麗香が来店したと知らされ、俺は厨房の窓から彼女の姿を探した。

いつものように抜群のスタイルにセンス良く着こなした彼女が座っていた。
自信に満ち溢れた服装とは異なり、どこか途方に暮れたような表情を彼女は時々浮かべる。
一緒にいる時は見られない顔なのだが、待ち合わせや中座し戻った時にそんな顔を見る。
付き合わなければわからなかった彼女のことが、徐々に俺はわかり始めた。


緊張しているのか? しかし、何に緊張している?


その表情をほぐしてやりたくて、麗香のテーブルにグラスワインを持っていくよう指示した。


麗香のテーブルに前菜の皿が並べられ、少しして俺は彼女の元へ行った。

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