スイーツな関係
麗香のペットボトルを持つ手が、小刻みに震えている。
麗香の服にかからないように、ペットボトルを受け取りテーブルの上に置く


「麗香、すまなかった」
「……あのアパートは誰の? 知り合いに借りたんでしょう?」
「違う」
「!」


麗香の目から大粒の涙が零れる。


麗香……。


「酷い! 遥人は正直すぎるわ! こんなこと知りたくなかった! 君の為に借りたマンションだと嘘を吐いてくれていた方がずっとましだったわ!」
「もっと前に話すべきだったよ。愛し合う前に……」
「帰る。今は……今は冷静に話せない……」
「麗香、嘘を吐いて申し訳ない気持ちだよ。嫌われても仕方がないことだけど、今の俺は君を愛している。それだけは頭の片隅に置いておいてほしい」
「わからないの。頭の中がぐちゃぐちゃでっ!」


麗香は泣きながら頭を何度も振り、玄関にフラフラと向かう。

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