君の為に放つボール


その日は、今日は体調が悪いみたいだった。

「オレはもうそんなに先永くあれへん・・・凛、オレの頼みっちゅうか願い、聞いてくれるか?」

「・・・うん、何?」




「お前、夢叶えてな?選手になったら・・・最初に試合出た時、一本だけでえぇから、俺の為に、スリーポイント決めてくれ・・・オレ、絶対あの世からみてるから。な?」




「バカ・・・あの世とか言わないでよ・・・。」

あたしが泣くと、ベッドに横たわったまま手を伸ばしてあたしの頭を撫でてくれた。

少し寂しそうに笑って、「頼むで・・・」そう言いながら。



あたしが蓮也のことで泣いたのってもう何回目よ?

バカ蓮也・・・大好きだ。

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