泣きたくなるような声






負担にはなりたくない。

負担じゃなくて、支えたい。

支えたいけど、ときには甘えたい。






いろんな葛藤から、電話した。


が、数秒コールしてすぐ私は切った。

ああ着信履歴残ってしまった。これで彼はかけ直してくるだろう。

案の定、数分たって私の携帯電話が鳴った。








「たいしたことじゃなかったんだけど、何というか、ごめん」

「それだけ悪いことあったら、愚痴りたくもなるさ。謝るなって」

「俊一は、どうしてたの?」

「俺? 俺は傘持って行くの忘れてずぶぬれ」

「えっ」







参ったよー。
間延びした声。


思わず、自分の今日の出来事が吹っ飛んだ。

ずぶぬれだって?







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