泣きたくなるような声
俊一と付き合って一年ちょっとだが、彼は最初のころと変わらず、私を大事にしてくれる。
一歳年上の彼は学年もひとつ上。年上と付き合うのは初めてだが、こう、周りにいるひとつ上の男子学生よりも、ずっと大人っぽくて、素敵に見える。
友人なら
「のろけちゃってー」
と突かれるだろう。
そうだ、のろけたっていいだろう。このくらい。下ネタを暴露して醜態をさらすよりはかわいいものだろう。
「それより」
俊一の声がそう切り出した。
うん、と私は返事をする。
「ついてない日もあるもんだよなあ」
「ごめんね、そんなことで電話して」