泣きたくなるような声
別に、ついてない日だと言い聞かせて終わってもよかった。
俊一に電話をかけずとも、私自身が気にしなければいい話だったのだ。
今は夜中の十二時を過ぎた。
明日だって講義があるだろう。そう思うと電話してよかったか、と思ってしまう。
右手から、左手に携帯電話を持ち替える。
「そんなこと、じゃないだろ」
「うーん」
「真琴が嫌な思いをした日なんだろう? それで十分電話する理由になるって」
「そう、かな」